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スペイン政府関係者に聞く
スペイン留学の魅力

スペインの達人であり、スペイン留学の先輩とも言えるスペインの公的機関のスタッフの方々。
ご自身のスペイン留学時代の話やスペイン留学の魅力を語っていただきました。

スペイン南部のリゾート地 マラガ

金関さん

スペイン大使館経済商務部 金関あさ さん
~~~スペインの高校へ留学~~~
私とスペインの縁は不思議なものです。
高校生の時にスペインの南部マラガに一年間留学しましたが、自分でスペインという国を選んでいったわけではないのです。
世界の高校生を対象に留学の奨学金を出しているAFSというボランティア団体がありますが、私はこの留学プログラムに参加しました。
AFSでは日本の奨学生の大半が英語圏に派遣されますが、ヨーロッパ、アジア、中南米の各国にも毎年数名ずつが送られています。
そして出発の数ヶ月前になって、AFS事務局より手紙が届き、私の派遣先がスペインに決まったと知らされました。

コスタデルソル その頃はスペインなんて私にとってまったく未知の国。
どこにあるの?何語を話すの?という状況で、手紙を読みながらパニックに陥ったことが忘れられません。
英語圏でないということで、一瞬留学を取りやめようかとも思ったくらいでしたが、スペインと知って大喜びしている両親に背中を押されて行くことにしました。
出発の数日前になってやっと、ホストファミリーが決まり、滞在する都市が、スペイン南端のマラガ市だと知らされました。
百科事典を開いてマラガを調べてみると、ピカソの生地、そしてヨーロッパ屈指のリゾート地だと書かれていました。

8月の初め、ついにドキドキしながらの旅立ちです。
ヨーロッパ各国に同時期に向かう他の奨学生5名で、南周りで24時間以上かけてスペインに到着しました。
初めて行ったマドリッドの印象は、ギラギラした太陽、そして涼しくて快適な木陰です。
首都マドリッドで、世界各国から集まってきた留学生たちと数日間オリエンテーションを受けた後、それぞれのホストファミリーが待つ町に散らばって行きました。


~~~南の町マラガでのホームステイ~~~

マラガ 夜汽車でマドリッドを出発し、マラガに到着したのは早朝でした。
AFSのカウンセラーのクリスティーナという女性が駅まで迎えに来てくれていました。
そしてマラガの中心地と海を見下ろすヒブラルファロの丘にあるパラドールのカフェに連れて行ってくれました。
パラドールとは、主に修道院、要塞、城など歴史的建造物を改築した国営のホテルとレストランで、スペイン各地にあります。
マラガは天気がよければアフリカ大陸が見えるだけあって、町中にヤシの木が茂りブーゲンビリアが咲きほこっていました。
また、イスラム様式のタイルや建物が美しい街で、当時高校生だった私は、テラス席でコーヒーをいただきながら、「こんな美しい街に一年いられるの?」と、ただただ夢見心地でした。

マルベージャ そのあとホストファミリーとなる家のお兄ちゃんが二人迎えに来てくれましたが、これがモデルのようにハンサムで、まだ夢を見ているようでした。
ホストファミリーの家も素敵でした。
アンダルシア地方特有の美しいタイル張りのパティオ(中庭)があり、広い庭にはプールと大きな果樹園があって、ザクロやオレンジがたわわとなっているのです。
ここの家族は全員英語がペラペラだったため、私との会話はほとんど英語で、スペイン語の上達にはあまり理想的とは言えない環境だったかもしれません。
でも、ひとたび地元の高校に通うようになると、クラスメートの英語力は日本の高校生くらいか、それ以下で、皆恥ずかしがってなかなか話しかけてくれません。
それでも、私の和西辞書を使ってなんとか会話をしてくれる人たちと次第に打ち解けることができました。

やっと環境に慣れたころになって、ホストファミリーの都合でステイ先を替えないといけないことになりました。
新しいステイ先は、町の反対側にあったため、通う学校も替えなくてはならず、かなりストレスを感じる日々でした。
でも、次の家族は全く英語のできない人のいい両親と、同じ年の女の子と2歳年下の男の子で、あっという間に家族の一員として暖かく受け入れてもらえました。
何よりもよかったのは、家族全員がとってもおしゃべりだったことです。
私がスペイン語がわかろうがわかるまいが気にせず、いつまでも話をしてくれました。
弟と一緒にバスで学校に通い、近所の人たちとパティオでセビジャーナス(フラメンコの楽曲のひとつ)を踊り、休日には近郊の村に連れて行ってもらい、本当の家族のように大切にしてくれたのです。


~~~帰国後もスペインとの関わりを求めて~~~

マラガ 帰国後、日本の大学でスペイン語を専攻し、留学中に耳から覚えた言葉をきちんと文法的に学び直しました。
そして、2000年からは、スペインの商品やサービスの対日輸出を促進するためのスペイン大使館経済商務部に勤務しています。
私が担当する文化産業部門では、スペインの書籍、映画、スポーツ、音楽などのプロモーション活動を数々行っています。
そして、日本からスペインへもっと留学してもらおうと、スペインの語学学校のプロモーションもしています。


~~~留学先としてのスペインの魅力~~~

グラナダ 私がスペインに留学したのは単なる偶然でしたが、今振り返ってみると、とても幸運な偶然だったと思います。
AFSで英語圏以外に留学した友人たちは口をそろえて「アメリカやイギリスに留学しなくてよかった!」と言いますし、私も同感です。
なぜなら、大半の英語圏の国々には、大学生、大学院生、そして社会人になってからでも、観光や留学で訪れる機会が比較的簡単に作れるからです。
今、日本から見ると世界のスタンダードはこれら英語圏の文化ですが、若い時にそれとは異なる文化の中にどっぷり身を置くことで、幅広い視野が培われます。
スペインにはイスラム文化の影響が色濃く残っており、隣接するアフリカからのニュースもたくさん入ってきます。

世界でスペイン語文化圏は英語圏に次いで大きく重要ですし、スペイン語の話者も4億人を超えます。
アメリカ合衆国においてもスペイン語人口がスペインの人口よりも多くなりました。
スペイン語を習得して無駄になるはずがありません。
スペインの語学学校や大学の外国人コースでは、幅広いプログラムを提供しており、年間18万人(2004年データ)の外国人学生が学んでいます。
また、最近はスペインでMBAを取る日本人も増えています。
英語とスペイン語で授業をする学校もあり、やる気のある留学生だったら英語とスペイン語を同時に習得することも可能です!

留学にはいろいろな目的があると思います。
言語の習得だけを目的にするのはもったいない。
せっかく新しい文化圏に行って生活をするなら、現地の人たちとできるだけ交わって、彼らの考え方や文化、伝統をいっぱい吸収してきてほしいと思います。
そのうえで、日本の良さと外国の良いところを自分の中で蓄積していけたら、とても豊かな人間になれるのではないでしょうか。


~~~スペイン留学情報サイト~~~
エドゥエスパーニャEduespaña http://www.eduespa.org/en/index.asp
セルバンテス文化センター Instituto Cervantes http://eee.cervantes.es/en/index.asp
セルバンテス文化センター東京 Instituto Cervantes Tokio http://www.tokio.cervantes.es/jp/default.shtm
 
写真提供:TURISMO ANDALUZ

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